<腰痛の原因>
◇腰痛は何故起こる
◆人間の宿命
二本足で立つ人間は、上半身の重さを腰で支えなければならない。
体重を支える腰に絶えず負担がかかるため、男女・年齢を問わず多くの方が腰 痛で悩んでいます。
特に、現代人に腰痛が多いのは、運動不足が大きな原因ですが、運動の疲労か ら起こる腰痛も見逃せません。
人間の身体は、筋肉によって骨や内臓を守り、身体を支えています。
上体を支えるのは主に、お腹の筋肉「腹筋」・背中の「背筋」で、このバラン スが壊れ(主に、腹筋が弱くなる)背筋に負担が多くなると、
背骨や腰を支え きれなくなり背骨・腰自体の負担が多くなった結果、腰痛は起こります。
※普段 腹筋3:背筋7の割合で背骨を維持し、生活してる
また、太ったことにより、お腹が前にせり出し、背骨・背筋に負担がかかり腰痛がおこる場合も多い。
◆良い姿勢・悪い姿勢
良い姿勢と聞くと、「背筋を真っ直ぐした状態」と考えますが、それは精神的 修行の要素が強く感じられます。
人間の身体の構造上、腰に無理のかからない状態が良い姿勢で、悪い姿勢とは 腰に負担のかかる状態と考えて下さい。
極端な猫背・身体を無理に捻った状態・背骨が横に曲がった状態が、身体的に ある人・また、この状態が長時間続くことをさします。
このことから、ランニング(スポーツ全般)は、腰に長時間負担をかける、悪 い姿勢のスポーツであり、「いつ腰痛が起きても
おかしくないスポーツだ」と考えるべきでしょう。
◆内臓と腰痛の関係
内臓の病気や、障害から腰痛が起こることも良くあります。
主に、胃・腸の下垂が原因で、お腹の筋肉「腹筋」が弱くなり、内臓を腹で支 えきれなくなり、腰に負担がかかり腰痛を引き起こします。
胃・腸の他にも、肝臓・すい臓・じん臓・女性の場合、子宮・膀胱などの影響 で、腰痛が起こることもありますので、頭に入れて置いて
下さい。
<背筋に原因がある腰痛>
◇筋・筋膜性腰痛
◆脊椎と周りの筋肉
脊椎は周囲を取り巻いている筋肉(背筋)によって支えられている。
この筋肉に急激な・あるいは徐々に大きな負荷が加わり、「脊柱起立筋(仙棘筋)」に障害が発生したもの。
◆予 防
何らかの理由で、腰部の筋肉が疲労いている、「前駆的症状(まえぶれ)」が あるはずで、長時間イスに腰掛けたり・中腰で物を
持ち上げたり・急に腰を捻 る動作がきっかけで、発症する場合が多い。
※「ぎっくり腰」の予防と同じである。
◆関係筋肉・部位
「脊柱起立筋(仙棘筋・・・せんきょく筋)」など
◆キネシオテーピング
「仙きょく筋テープ」 「靱帯横一テープ」
<骨盤に原因がある腰痛>
◇仙腸関節炎
◆腰椎・仙骨・腸骨の関係
骨盤の異常から起こる腰痛は女性に多く、ほとんどの腰痛は脊骨の下部で腰の位置にあたる骨「腰椎」と、骨盤「仙骨・腸骨」の
部分で起こります。
「仙腸関節」は、「仙骨」「腸骨」の間の関節で左右1対あり、関節面はがっちりとかみ合っており、骨盤から上の重さが全て
かかってくるため、非常に太く強い靱帯でムダな動きを制限されている部分ある。
◆予 防
一定の姿勢変位(長く座り続ける野球のキャッチャーなど)・筋力の偏り(ゴ ルフなど)で、関節部にわずかなズレが起き、
それを骨盤の周りのじん帯・筋 肉が支えきれなくなり、偏った負荷が関節にかかり関節を中心に周囲の炎症が 起こる。
女性の場合、必要以上に下着(ガードル・パンスト・ショーツ)・洋服(スカ ート・パンツ)で腹部を締めつけないこと。
下着などの圧迫で、骨盤の仙腸関節に異常が起きたり、股関節障害の原因にも なるので注意が必要。
※ここの異常は、婦人病につながりやすいので要注意。
<ぎっくり腰>
◇椎間板ヘルニア
◆椎間板ヘルニアと坐骨神経痛
背骨と背骨の間にある椎間板(クッション材)の一部が飛びだし、神経が圧迫状態にある。
この場合、お尻・もも・下腿にかけてしびれるような痛みが走ることが多く、筋肉の萎縮・低下が起こる。・・・坐骨神経痛
しかし、ヘルニアが無くとも、骨やじん帯の異常から神経が圧迫されても、坐骨神経痛は起こる。
※椎間板ヘルニアの症状があっても、真性のヘルニアは非常に少なく、95%は痛みや症状が似ているだけ、「偽ヘルニア」と
言われている。
◆キネシオテーピング
「大腰筋テープ」 「外腹斜筋テープ」 「梨状筋テープ」 「腰椎ユニオンジャックテープ」 「坐骨神経テープ」
<内臓の障害から起こる腰痛>
◇胃・腸の下垂・すい臓炎・その他
◆内臓疾患
下部臓器、ヘソより下の内臓で肝臓・大腸・小腸・子宮・膀胱などが原因と考 えられます。
また、腹筋などの衰えから内臓下垂が起こり、腹部の内圧が高くなり背骨・腰の筋肉を圧迫し、腰痛が起こります。
内臓異常からくる腰痛は、重苦しい鈍痛が長く続き、胃腸・肝臓・じん臓などの機能不全からも腰痛は起こるので、
医療機関のメディカルチェックも行う必要があるでしょう。
◆キネシオテーピング
「大腰筋テープ」 「外腹斜筋テープ」
<足の疲労からくる腰痛>
◆筋肉疲労
運動不足でたまに運動をし、翌日「足腰」が痛くなることが良くあります。
足の筋肉は腰と密接につながっており、着地の衝撃は、足底・足首・ヒザ・股関節・腰と順に伝わり、下半身の衝撃を受け止めています。
しかし、脚部の筋肉疲労により、各部分のクッションの役割が十分機能できなった場合、地面からの衝撃はモロに腰に伝わり腰痛の
原因になります。
筋肉疲労は、肉離れの原因にも挙げられ、特に、足底・ふくらはぎのケアが大切です。
◆キネシオテーピング
「足底筋テープ」 「腓腹筋テープ」
参考・引用文献
ランニングハンドブック
ランナーズ
ランナーズ ホノルルマラソントレーニングブック
シティランナー 別冊付録
目で見る動きの解剖学
スポーツ障害別 キネシオテーピング
決定版 キネシオテーピング
その他